東大赤門前にある法真寺から徒歩2〜3分ぐらいの所にある紙などを扱っているお店にあった明治時代の襖紙。そのお店は明治27年から営業しているお店だそうで、お店もその時以来のままだとか。
今はマンションばかりになってしまい、普通の家庭で襖など、紙を使うことがなくなってしまったので、今の商売も後がおぼつかないとお店のおばあさんがこぼしていました。
もちろん跡継ぎはなく、「家がダメになるか、店がダメになるか、体がダメになるかどっちかだね」なんて、笑いながら話をして下さったおばあさんの表情が印象的でした。下記の写真は、明治の頃、一般庶民の家庭で使っていた襖紙です。 B4サイズのこの紙を12枚張り合わせて襖に仕立てたそうです。
残念ながらもうこの襖紙を貼れる経師屋さんはほとんどいないそうです。
端のところがしわしわになっていて年代を感じさせられます。
でも保存が良くて(紙に砂を混ぜているのでもっているのよとお店の人は言ってましたが)綺麗になっているものもたくさんありました。
綺麗なものはまた売れるでしょうから私はしわしわのものを買ってきました。
紙の左と下に線が引いてありますが、これを目安に重ねて貼っていくそうですよ。
こんな感じではりあわせたのでしょうかねぇ。なんて訳ないですよね。
もちろん同じ柄を貼りあわせたのでしょう。
下は襖紙のほんの一例だそうです。もっと素敵な柄のものもたくさんあったそうです。
私が行った時はどこかのテレビ局が放送した後とかで、
遠くからたくさんの人が買いに来られて「今はこれしか残っていないのよ」とお店の人に言われてしまいました。
某大手のお店が全部欲しいと買いに来られたけど、売らなかったそうです。
おかげで数が少なくていろいろな柄が見れなかったのは残念ですが、これがあっただけでも私にとっては幸せなことでした。
これを一般の庶民が使っていたのかしらと思うくらい素敵です。