樋口一葉と水仙/明治時代の物価・生活費の目安

2009/12/22



明治時代の物価・生活費の目安


樋口一葉の日記を読みながら、樋口一葉が生きた明治時代のお金、物価について前より気になっていました。
そこで、伊藤整著「日本文壇史4 硯友社と一葉の時代」と小学館出版「一葉伝説」及び
樋口一葉の日記より抜粋し、お金について整理してみました。
この作業をしているうちに、いまさらながら、貧富の差、学歴があるかないかで収入がかなり違うことがわかりました。
決まった月々の収入のない中、女3人の一葉一家の暮らしがいかに大変だったかが改めてわかり、
こういう環境の中で、よく次々に名作を生み出したなあと感心するばかりです。

根拠となる資料 価格の対象 価格
明治21年(一葉18歳)
三宅花圃 「藪の鶯」金港堂
 (全12話)原稿料
33円20銭
明治23年
「一葉伝説」の
疋田達子の談より
一葉一家が引き受けていた
仕立てもの賃金
木綿綿入れ 14、5銭
袷もの 8、9銭
単衣もの 7〜9銭
「一葉伝説」の
疋田達子の談より
その頃のお蕎麦代 かけ、もりで8厘
明治24年(一葉19歳)
8/15 樋口一葉日記より 洋傘2本貼り替え 
1本は絹二重張り
 1本は毛繻子の平常持ち
2本で 1円10銭
11/25 樋口一葉日記より 困窮し、半井桃水から借金 15円
明治25年(一葉20歳)
日本文壇史4より 日本橋今古堂発行「武蔵野」 本の定価10銭
6/22 樋口一葉日記より 渋谷三郎25歳
 新潟県裁判所 判事補
月俸50円
10/21 樋口一葉日記より 金港堂編「うもれ木」原稿料 11円75銭
12/28 樋口一葉日記より 金港堂編
「朧月夜」38枚の原稿料
11円40銭
明治26年(一葉21歳)
日本文壇史4より 幸徳秋水 
新聞「自由」の記者
 主に英字新聞の翻訳
初任給7円
5/29 樋口一葉日記より 伊東夏子より借金
(樋口家3人の一月分の生活費
にほぼ近いお金)
8円
7/ 1 樋口一葉日記より 引っ越し及び事業資金として
貸し付けたお金を返してもらう
15円
樋口一葉日記より 開店するために
着物など売ったお金
15円
7/20 樋口一葉日記より 下谷龍泉寺丁の借家 敷金3円
 家賃1円50銭
7/23 樋口一葉日記より 小間物屋の開店の準備の為の
仕入れ
5円50銭
8/8 樋口一葉日記より 菓子小売業願いの奥印 印紙料30銭
半年分の税金50銭
8/9〜 樋口一葉日記より このころの店の売上 20銭〜39銭
8/18 樋口一葉日記より 白木の下駄
(さらさ形の皮の鼻緒)購入
20銭
8/20 樋口一葉日記より 千束神社の大祭の日の売上 1円
9/23 樋口一葉日記より この頃の店の売上 40〜60銭
12/28 樋口一葉日記より 「琴の音」文学界の原稿料 1円50銭
12/30 樋口一葉日記より 新年用のおもち代 1円
明治27年(一葉22歳)
日本文壇史4より 江見水蔭
銀座4丁目「中央新聞」
ジャーナリスト
月給30円
日本文壇史4より 普通の人、勤め人の給料 月給15円
日本文壇史4より 徳富蘆花27歳
 「国民新聞」平社員
月給11円
日本文壇史4より 徳富蘆花27歳
8畳・4畳半・3畳・2畳の
貸家の家賃
4円50銭
日本文壇史4より 徳富蘆花の妻 小学校教師 月給12円
日本文壇史4より 徳富蘇峰刊行
 「家庭雑誌」45ページ
定価5銭
樋口一葉日記より すぐ近くに同業の店が出来た為、
売上激減する
5/1 樋口一葉日記より 龍泉寺の店を閉じて
本郷丸山福山町の
借家に引っ越しする
家賃3円
明治28年(一葉23歳)
日本文壇史4より 樋口一葉 萩の舎での助教 月給2円
樋口一葉日記より 久佐賀義孝や村上浪六などに
借金を申し込むが
良い返事をもらえない
5/2 樋口一葉日記より 質やの「伊勢や」にて
質入れして借金
4円50銭
5/28 樋口一葉日記より 野々宮きく子、
安井哲子月謝持参
ひとり50銭?
5/31 樋口一葉日記より 博文館より
「経机」の原稿料はいる
原稿1枚40銭位
だったらしい
日本文壇史4より 国木田独歩(結婚前)
 民友社勤務
月給12円
日本文壇史4より 国木田独歩(結婚後)
 逗子での魚
1〜2銭
日本文壇史4より 山田美妙
 片瀬海岸の貸し別荘の家賃
1年で55円
日本文壇史4より 江見水蔭
 「読売」社員 小説掲載
月給30円
明治29年(一葉24歳)
日本文壇史4より 夏目漱石
 熊本の第五高等学校勤務
月給100円
日本文壇史4より 夏目漱石 結婚式費用 7円50銭
日本文壇史4より 後藤寅之助
 紳士の外套トンビの質代
7円
日本文壇史4より 佐藤儀助
 印刷会社「秀英舎」職工
日給15銭
日本文壇史4より 佐藤儀助
 印刷会社「秀英舎」校正係り
日給30銭
日本文壇史4より 小泉八雲47歳 
帝国大学 講師
月給400円
日本文壇史4より 広津柳浪
 博文館「今戸心中」の原稿料
1枚40銭
日本文壇史4より 与謝野鉄幹
詩歌集「東西南北」
小型本204頁
定価25銭
日本文壇史4より 内村鑑三36歳
静岡のキリスト教夏季学校
講師料
2円
日本文壇史4より 東京一流の料亭、
芝の紅葉館の夕食
1人 2円
日本文壇史4より 島崎藤村 東北学院の教師 月給25円
日本文壇史4より 石井祐治
 秋田、大曲西村旅館宿泊料
46銭
日本文壇史4より 石井祐治
 秋田、大曲西村旅館 草鞋代
8厘
日本文壇史4より 石井祐治
 秋田、大曲西村旅館 
煙草とマッチ
19銭
日本文壇史4より 石井祐治
 秋田、大曲西村旅館
 宿のチップ
20銭
日本文壇史4より 石井祐治
 浅草 三筋の病院の書生
3食付 月給50銭
日本文壇史4より 内村鑑三36歳
名古屋の
ミッションスクールの教師
月給70円
1月 樋口一葉日記より 困り果て
松木直巳より援助
20円
6月 樋口一葉日記より 最下層の人々の平均収入 月6円
6/23 樋口一葉日記より 困り果て
「春陽堂よりとりよす 」
30円
6/30 樋口一葉日記より 伊せ崎めいせん一疋(2反分) 8円60銭
明治30年
日本文壇史4より 国木田独歩・田山花袋など
 東京での生活費
ひとり1ヶ月10円
日本文壇史4より 国木田独歩・田山花袋など
 日光の照尊院での生活費
ひとり1ヶ月2円22銭
日本文壇史4より 国木田独歩
「国民新聞」への
3編の詩の稿料
3円
日本文壇史4より 田山花袋
博文館への紀行文の稿料
1枚 30銭


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