新聞で「ヨーロッパと日本 きらめく女性たち」というタイトルの宣伝を見つけた。
アドルフ=ウィリアム・ブグローの描いた《レディ マクスウェル》のドレスの素敵な輝く女性の絵に引き込まれ、いつか見 に行きたいと思って切り抜いておいた。先日、時間があったので暑い日であったが思い切って出掛けてみた。
ホテルオークラということでちょっと緊張して出掛けたが、「チャリティーイベント アートは世界のこどもを救う」という タイトルで少し救われたような気がした。
バリバリ芸術鑑賞だけなら、美術館で充分。ホテルという気の張るところまでは出掛けていかないのだが、 展示作品の中に「鏑木清方」という文字があったので、
樋口一葉さんの小説の挿し絵を描かれた画家さんなので、 これは見に行かなくてはと思っていったのだった。
展示作品はさすがに立派なものばかりで、本物の絵はどれもこれも素敵だった。
中にはどこが良いのか私にはわからないものもあったが・・ 中でもヨーロッパの絵は別として、伊東深水、上村松園、岸田劉生などの本物の絵が見れたのはとても嬉しかった。
色の鮮やかさ、着物の美しさ、女性のやわらかさが、丁寧な筆つかいでこちらに伝わってくるようだった。
特に私がひきつけられたのは鏑木清方の「七夕」という絵だった。
解説抜きに素晴らしい!の一言だった。
櫛で髪をとかしている女性の髪が一本一本透き通るように描けていて、そこの絵の前で立ち止まってしまった。
これは本やカタログのように印刷されたものでは絶対に伝わらないものだろうなあと思った。
やはり何事も本物をみなくては感動というのは味わえないものなのだと実感した。
確か鎌倉に清方の美術館があったと、何かでみたきがしたが、今度ぜひ行ってみようと思った。ホテルのイベントで、抽選で素晴らしいものがあたるというので、もちろんこの「七夕」に投票してきたのだが、
このところくじ運が悪いので当たることは期待はできない。が、当たろうが当たるまいがどっちでもいい、
どうしてもこの絵には1票入れたかった。このところ気分のすぐれない毎日だったが久々に感動して満足だった。
休日だったせいか虎ノ門のあたりは静かで、きょろきょろしてるうちに銀座まで歩いてしまった。
そして、これまた自然と足はOL時代によく通った懐かしい鳩居堂に向かってしまった。
そこで小筆と木炭を買って帰ってきた。何か好きなものを描いてみようっと!。