人形町しまきりゅう創作人形館/創作人形/樋口一葉と水仙/人形館内の写真
樋口一葉の作品はちょっと暗いと思われる方が多いと思いますが、確かに22作品全ての作品を読み、 人形を作りながら感じたのは、決して楽しい世界ではないなあということでした。 私が高校2年生の頃、最初に「たけくらべ」を読んで感動した時とは違う世界が、そこにはありました。 一葉作品の第一作品から読んでみると、一葉さんは最初の作品を書いた時から「たけくらべ」を書きあげた時までの4年間に、作家として目覚ましい成長をしたのだなあと、文学において素人の私にもわかる程でした。 しかも、一葉さんの境遇を知れば知るほど、その努力は並大抵のものではなかったのだなということをひしひしと感じました。 新しいものをどんどん取り入れ、めざましい発展を遂げようとしている明治の新しい世の中と、相反する、いわゆる旧幕臣の親を持ち、17歳で一家を支える女戸主とならざるを得なかった一葉さん。父親の死後、許婚だった婚約者も、負債しか残っていない一葉一家を見捨てるように婚約も解消され、結婚もできず、毎月の収入のない貧しい中、母親と妹邦子とおんな3人が生きていかねばならなかった身の上を思うと、世の中の矛盾する全てのものを書かずにはいられなかったのも当然かもしれません。 一葉小説が暗いというのは、一葉さんが暗いのではなく、一葉さんが生きた時代の、ある一部の人が暗かったということなのでしょう。しかし、そういう人たちのおかげで、今日の私たちがあるのだというのもまぎれもない事実です。 人形館では、「たけくらべ」の素晴らしさ、一葉さんの素晴らしさを伝え、少しでも多くの方に一葉小説を読み継いでいってもらう為に、一葉小説を核として、日本の文化に興味をもっていただけたらよいなあと思っています。 しまき りゅう |
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