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あらすじ 十二月のある日の夜更け、一人住まいのお京の家を訪ねる者があった。 近くの傘屋に奉公する吉三であった。 彼は十六歳だが背が低く一寸法師とあだ名されているが、町内では暴れ者でとおっていた。 そんな彼がなぜかお京を慕い、かつ甘えていた。 お京も吉三を弟のように可愛がり、甘えさせていた。 この夜も彼女は吉三のすねた甘えをやさしく許し、はげましもするのであった。 吉三は傘屋の先代のお松が六年前の冬に寺参りの帰りに拾って来た子供であった。 吉三は両親の顔も知らないまま、角兵衛の獅子を冠っていたのである。 吉三は職人の道にはいるが、二年後、お松が死んでからは周囲の嘲笑や白眼視に耐えきれず、反抗的なっていた。 そんな彼の気性を愛するのは、今年の春に裏長屋に越してきた二十余りの意気な女、お京一人であった。 十二月三十日の夜、吉三は仕事帰り、後からやさしく目隠しされる。「お京さんだろ」と言い当てた吉三に、彼女は明日引っ越しすると告げる。驚いた吉三は「やはり妾に行くという噂は本当なのか」と彼女をなじる。 彼女は「仕方ないのだ」とさびしく笑い、吉三を家に連れて行く。吉三は怒り、かつ落胆し、もう逢わないと言い放ち、羽がいじめに抱き止めるお京を振り切って帰ろうとする。 |
全集 「樋口一葉」 小説編より
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