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1999/09/05

一葉の面影を歩く

えんじゅ.かずお著の 「一葉の面影を歩く」を読みました。

この方の ”はじめに” の言葉にすっごく共感したので、あえて

それをそのままコピ−ですが、載せさせていただきました。


はじめに



樋口一葉は、中学校や高校の教科書に必ず登場する。

1 「 『たけくらべ』 『にごりえ』 など女性の哀歓をつづった作品を残した」


といったぐあいに。

一葉には、貧困に苦しんで夭折した天才女流作家という、

なにか悲しく、古めかしいイメ−ジがつきまとっていた。

ある日、私は本郷菊坂の

一葉旧居跡をたずねた。

感動的だった。

写真でみる一葉が

ふと路地からあらわれそうな気配の空間だ。

以来、一葉に関する文献をあさり、

ゆかりの地を歩いた。

知るほどに、歩くほどに、

かっての一葉像はひっくりかえされた。

一葉は社会の不条理を透徹した目でみていた。

差別され、抑圧されるものを、同じ側からみたのだ。

天才なんてものではない。

短い生涯をつっぱって生きた。

それが生みだした文学だった。

一葉は今日に生きている。

その面影を、ゆかりの地を歩いて追ってみたい。


1995年3月20日弟1刷発行


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